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2006年12月3日(日)午前4時過ぎ、西北西の地平線に沈む月から赤い光の柱が立ち昇る現象が見られました。この現象は『月柱(げっちゅう)』と呼ばれ、日出または日没の時に、太陽から地平線に対して垂直な方向へ焔(ほのお)のような形をした光の柱が見られる大気光象 「太陽柱(たいようちゅう)」 と同じ原理で起きる珍しい現象です。 写真は、12月3日の観測明け午前4時〜4時半頃に、西に沈みかかった月から赤い光の柱が立ち昇っているのに気づいた川端哲也 研究員が、美星天文台2階西側のベランダからデジタルカメラで撮影したものです。この日の朝は、この冬一番の冷え込みに加え、月齢12と月が明るかったため『月柱』が見られたのでしょう。 『月柱』は、上空の風が弱い時、雲の中の氷の結晶(六角形の板状をした氷晶)が地面にほぼ水平に落下していくため、水平に浮かんだ板状の結晶の表面で地平線に近い月からの光が反射されて、月の上下に柱のような光芒が見える現象です。『月柱』は、「太陽柱」と異なり満月に近い月齢の時にしか起こりにくいので「太陽柱」にくらべて珍しい現象と言えるでしょう。 |
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黄色く輝いている月の上下に焔(ほのお)のような赤い柱が見られます。月の右に見えるドームは、美星スペースガードセンターの観測ドーム、月の左下には中世夢が原の物見櫓が見られます。 |
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雲の合間に月が入り、そこから柱のように光が伸びています。右下は中世夢が原の物見櫓です。 | 月が沈み雲に隠されていても 「月柱」 が見えています。空に写っている点は星です。 |
月が沈み雲に隠されていても 「月柱」 はまだ見えています。 |
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参考:wikipedia「太陽柱」 |
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[2006.12.4 掲載] |