シュワスマン・ワハマン第3彗星

 シュワスマン・ワハマン第3彗星は、1930年にドイツ・ハンブルク天文台の2人の天文学者、アルノルト・シュヴァスマンとアルト・アルトゥール・ヴァハマンによって発見されました。この2人が発見した彗星のうちの3番目ということで、発見者の名前と『第3』をつけて呼ばれています。
 周期は、約5.4年で太陽の周りを回る楕円軌道を持っています。発見後、しばらく行方不明となりましたが、1979年に再発見されました。1995年には、この彗星が5つのかけらに分裂し、それぞれにA核、B核、C核、…という名前が付けられています。現在はさらに多くの小さなかけらも発見されており、これらが一団となって、ほぼ同じ軌道を回っています。
 2006年は5月12日に地球と彗星の距離が約1200万km(地球と月の距離の約30倍)まで近づくため、観測条件が良く、最大のC核は双眼鏡で、B核とG核は望遠鏡で、彗星らしいぼうっとした拡がりが見えると期待されました。
 今回の接近では、B核がさらに無数のかけらに分裂しました。美星天文台でも分裂直後のB核の観測に成功しました。
研究員 川端哲也
2006年4月23日

最も明るい核 C核

分裂している B核
2006年5月3日

C核
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