温度が1万度から3万度の恒星はB型星と分類され、その中で水素に輝線を示すものを特にBe型星(eはemission lineの意味)と呼んでいます。Be型星のスペクトルは、恒星表面(光球)の吸収線の上に輝線が重なって現れます。
さそり座デルタ星は、これまで顕著な輝線を示さないB型星だと思われてきました。しかし、2000年夏の増光をきっかけとして、分光観測がされるとスペクトルが典型的なBe型星に変化していることが分かりました。
Be型星は、普通のB型星に比べて自転速度が速く、赤道付近に電離ガスの円盤を持ちそこから水素の輝線が放射されていると考えられています。