ヘール・ボップ彗星のスペクトルに見つかったナトリウム輝線


[JPEG 14KB] [GIF 4KB]

美星天文台101cm望遠鏡の分光器とアストロカム社窒素冷却CCDカメラを用いて,1997年2月27日午前6時6分に撮影.露出10分.南北方向に細長いスリット(窓)を通して彗星核付近のスペクトルを撮ったもの. 2本の輝線(明るいスジ)が,ナトリウム(Na)のD1,D2輝線. ヘール・ボップ彗星が,太陽と地球の両方に近づいてきているため, 彗星からの輝線は地球に対する彗星の相対速度で約30キロメートル/秒, 彗星の散乱光中の太陽の吸収線は,太陽と彗星,彗星と地球の相対速度の和となり約48キロメートル/秒, それぞれドップラー効果によって青い方に波長がずれている. 岡山県のアマチュア天文家の藤井貢氏が28cm望遠鏡に自作分光器を取り付けて,ナトリウムらしき輝線を発見. 美星101cm望遠鏡で確認観測したもの.

観測者:川端・綾仁(美星天文台),木下・藤井(アマチュア天文家)


美星天文台ホームページへ

Kazuya Ayani, Bisei Astronomical Observatory / ayani@bao.go.jp