会場前の全体写真
今回の会議の印象的だったのは5日間の会期中、分科会を含めて過半数以上の講演が銀河系、銀河、宇宙論の分野に当てられ、次いで大きなウエイトを占めたのは観測装置関係でした。 従来大きな比重を占めていた恒星、太陽、太陽系は合わせても1日程度となり、アジアの天文学にも大きな時代の流れが感じられます。 それは世界の天文学の動向を反映するものですが、その背景には世界的な国際共同研究の波があります。 韓国やタイ、台湾の人たちもアメリカやヨーロッパの大きな望遠鏡や宇宙観測機で先端的な研究を進めています。 日本はハワイ島のマウナケア山頂に巨大なすばる望遠鏡を建設したり、南米チリの山岳地帯にミリ波の電波望遠鏡干渉網の建設計画を進めたりしていますが、これからは大型観測装置の建設に伴ってアジア地域の人たちとの共同研究もますます重要になるでしょう。
しかし、望遠鏡の巨大化や国際化が進むのと平行して、各地の小型望遠鏡もそれぞれの特色を活かした活動を進めています。 ポスターセッションではそうした地道な活動がいくつも紹介され、人たちの共感を呼んでいました。 今回は天文教育や普及についてのセッションが少なかったのは少々心残りでした。
エクスカーションで訪れた釜山郊外の通度寺に残された, 18世紀の韓国の星座図
(通度寺聖宝博物館編「韓国の名刹 通度寺」より)