W4における星形成領域
Bright Rimmed Cloud No.05の撮像観測

川原 健太郎  (岡山県岡山市)

 カシオペア座にあるHII領域W4に付随するBright Rimmed Cloud No.05(以下、BRC05)は、中・大質量候補天体IRAS02252+6120や若い星のHα輝線星、多くの天体が付随している集団的星形成領域です。太陽のような恒星は単独で誕生(星形成)するより、集団的に誕生するケースが多いという研究報告があります。その為に、集団的な星形成を理解することは天文学的に重要な課題とされています。
 星形成中の天体を見る為には、電波や赤外線、可視光線を利用します。可視光線で星形成中の天体を見るということは、核融合反応を起こす前の天体を見ることになります。余談になりますが、赤外線や電波で見ることはさらに若い原始星や高密度なコア(星の卵)など見ることになります。
 BRC05内において可視光線で観測できる若い天体は、論文に記されています。しかし、それらのV等級、R等級、I等級は推定されていません。今回は若い星の等級を見積もることを目的にしています。以下の写真はBRC05で、観測して得た写真になります(下図=図1、Vバンドイメージ)。

図1 BRC05のVバンドイメージ
明るい天体から暗い天体まで数十個の天体を検出することが出来ました。


図2 BRC05の拡大写真
 図2は、図1の拡大写真になります。印のついている天体が若い星でHα輝線星と分類されている天体です。この天体の光子の量(天体から受かった強度)と等級の分かっている天体の光子の量を用いてHα輝線星の等級を導き、V=16.3 (等級)と見積もることが出来ました。また、R=15.4、I=14.3という結果もでました。
[掲載日:2006.12.16]


Copyright(C) Bisei Astronomical Observatory All Rights Reserved.