1m鏡による小型の星雲星団の撮影

観測者 大沢真也 (岡山県浅口郡里庄町)

 1m鏡の威力をわかっていただくため,画像処理は明るさの補正のみ行っています.焦点距離が長いため,感度はできるだけ高くして露出は短めに撮影し,その分コンポジット枚数を多くすると良いようです.撮影時は横縞のパターンノイズを平均化するため画像の短辺方向に少しずつ位置をずらして撮影した方がよいようです.ベントカセグレンN焦点での撮影はレデューサーの収差で周辺の星像が流れてしまいます.2006年10月14日の撮影中にナスミス焦点のレデューサーを清掃し焦点位置を少しずらしてゴミを写りにくくしてもらいましたので,今後の星雲星団の写真を撮る場合はナスミス焦点で撮るのがよいと思います.


球状星団 M3
6枚コンポジット合成 総露出時間3分.N焦点のレデューサーの影響で周辺像が流れています.14枚とった内の良い画像6枚をコンポジットしました.球状星団を撮るには最適な望遠鏡だと思います.
(撮影日:2006.5.20-21)

銀河 M82
8枚コンポジット合成 総露出時間4分.N焦点のレデューサーの影響で周辺像が流れています.11枚とった内の良い画像8枚をコンポジットしました.
(撮影日:2006.5.20-21)

惑星状星雲 M57
8枚コンポジット合成 総露出時間4分.N焦点のレデューサーの影響で周辺像が流れています.10枚とった内の良い画像8枚をコンポジットしました.少しピントが甘くなりました.
(撮影日:2006.5.20-21)

散光星雲 M17
8枚コンポジット合成 総露出時間4分.N焦点のレデューサーの影響で周辺像が流れています.10枚とった内の良い画像8枚をコンポジットしました.ノーマルのD20ですが意外と赤がよく写っています.焦点距離が長いため高度の低い天体は像がぼやけてしまいます.
(撮影日:2006.5.20-21)

銀河 M77
11枚コンポジット合成 総露出時間5.5分.ナスミス焦点で撮影.14枚とった内の良い画像11枚をコンポジットしました.小さくて明るい銀河なので1m鏡に向いている被写体だと思います.レデューサーが汚れていたため星雲周辺部のゴミが暗黒帯のように写ってしまいました.
(撮影日:2006.10.14-15)

反射星雲 NGC 2261 (ハッブル変光星雲)
8枚コンポジット合成 総露出時間4分.ナスミス焦点で撮影.9枚とった内の良い画像8枚をコンポジットしました.下弦の月明かりの中で撮影したため淡い部分がうまく写りませんでした.
(撮影日:2006.10.14-15)

共通データ
望遠鏡101cm反射望遠鏡
焦点 ベントカセグレンN焦点,レデューサー使用 (合成 F6)
ナスミス焦点,縮小光学系使用 (合成 F6)
カメラCanon EOS 20D
カメラ設定ISO感度:1600,ノイズリダクションON
撮影方法カメラはパソコンからUSB接続,30秒露出で連続撮影
画像処理 コンポジット合成,輝度,コントラスト,ガンマ補正
使用パソコン:Apple MacBook
使用ソフトウェア:Canon Digital Photo Professional,PhotonicD(フリーウェア)



Copyright(C) Bisei Astronomical Observatory and Observer All Rights Reserved.