小接近時火星面・土星本体及び及び輪の
デジタルビデオ撮影

観測者 奥村雅之、黒川隆司 (愛知県名古屋市)
2010年2月7日(日) 
観測風景

当日は快晴で、冬の銀河も良く見えましたが、気温は-3℃で凍えました。
小接近時火星面の高拡大精密デジタルビデオ画像撮影
観測方法の説明
101p望遠鏡カセグレン焦点+ William Optics社  DCL-4337 +SONY製ビデオカメラ DCR-DVD403

当日の様子
観測時間中は快晴でシーイングは4/10から5/10でした。

感想
一番下の白い部分は北極冠です。上側の黒く細長い模様は、左からシレナム海からキンメリウム海にかけての部分です。
 全体的に見ると約1秒角程度は分解していると見られ、中程度のシーイングでも101cm望遠鏡ではこの程度までは性能が発揮できることがわかりました。
 今後は最高のシーイングを捉え、101cm望遠鏡の分解能限界に挑戦してみたいと思います。
 1〜3:
 左側の縁に有る白い部分は夕靄、右側の縁に有る白い部分は朝靄と思われます。
 北極冠の上側、北緯30度付近に離れて三箇所見える斑点は、火星図の経緯度と照合すると右から二つは、「アエテリアの斑点」、「トリビウムカロンティ ス」に対応するもののようですが、一番左のものは「プロポンティスT」と経度はほぼ同じですが、やや南側に当たり、火星図の地形と対応がつきませんでし た。
 4:
 一番下の白い部分は北極冠です。上側の黒い模様は、左から「キンメリウム海」から「大シルチス」にかけての部分です。
 左側の縁に有る白い部分は夕靄、大シルチス右側の縁に有る白い部分は朝靄と思われます。
 北極冠の左上側、北緯30度付近に少し離れて見える斑点は、火星図の経緯度と照合すると、「アエテリアの斑点」に対応するもののようです。  

小接近時の火星面 1
撮影時刻 平成22年2月6日23時55分
中央経度 195.8度
レジスタックス5で199枚を画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。中央経度計算及び模様の位置測定は、WinJUPOS8.2.0による。
画像は、南が上、左右は右側が経度の増える方向になるよう、特殊接眼部で撮影した画像を左右反転させています。以下同じ。

小接近時の火星面 2
撮影時刻 平成22年2月7日0時33分
中央経度 205.0度
レジスタックス5で87枚を画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。中央経度計算及び模様の位置測定は、WinJUPOS8.2.0による。

小接近時の火星面 3

撮影時刻 平成22年2月7日0時44分
中央経度 207.5度
レジスタックス5で638枚を画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。中央経度計算及び模様の位置測定は、WinJUPOS8.2.0による。
 
小接近時の火星面 4
撮影時刻 平成22年2月7日3時40分
中央経度 250.5度
レジスタックス5で57枚を画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。中央経度計算及び模様の位置測定は、WinJUPOS8.2.0による。

土星本体及び輪のデジタルビデオ撮影

観測方法の説明 
101p望遠鏡カセグレン焦点+ William Optics社  DCL-4337 +SONY製ビデオカメラ DCR-DVD403

当日の様子 
観測時間中は快晴でシーイングは4/10から5/10でした。

感想 
カッシニの空隙と本体の模様は写っていますが、特に目立った斑点等は見当たりません。
 本体右側の輪に本体の影が映っているのがわかります。
 シーイングは良くないですが、この程度のシーイングでもこのくらいは撮影できることがわかりました。
 全体に露出不足気味で、もう少し露出をかけていればもっと色がはっきり出たかもしれません。
 次回は、最高のシーイングの元で、101cm望遠鏡の限界性能に迫る画像を撮影してみたいと思います。
土星

撮影時刻 平成22年2月7日1時37分JST
中央経度 体系T 16.2度、体系U 254.5度、体系V 59.1度、中央緯度 +5.6度
レジスタックス5で301枚を画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。中央経緯度の計算は、WinJUPOS8.2.0による。
画像は、北が上、左右は右側が経度の減る方向になるよう、特殊接眼部で撮影した画像を左右反転させています。以下同じ。
火星と同拡大率の土星
撮影時刻 平成22年2月7日3時01分JST
中央経度 体系T 65.4度、体系U 301.9度、体系V 106.4度、中央緯度 +5.6度
レジスタックス5で画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。中央経緯度の計算は、WinJUPOS8.2.0による。
 
土星の五衛星

撮影時刻 平成22年2月7日2時43分JST
レジスタックス5で329枚を画像処理 。
GIMP2.6で画像調整、強調処理。衛星の同定は、WinJUPOS8.2.0による。
画像は、北が上、右側が東です。

衛星は右からS6ティタン(8.4等)、S4ディオネ(10.4等)、S3テティス(10.2等)、S2エンケラドゥス(11.8等)及びS5レア(9.6等)です。
 12.8等のS1ミマス及び14.4等のS7ヒぺリオンは写っていないので、このシステムの撮影限界等級は約12等のようです。
 
  [掲載日:2010.03.06]


Copyright(C) Bisei Astronomical Observatory and Observer All Rights Reserved.