李朝時代の天文学

15世紀前半の世宗時代は天文学で飛躍的な発展があった.10余種に及ぶ観測,測量器具が作られた.天文現象は2つに分けられ観測された.頻繁ではないがふだん見られる日食,月食などを普通現象,彗星,新星地震などは非常現象として捉えられ,「観象監」あるいは「書雲観」という部署で観測された.また,暦書は世宗時代に特に改訂され,「七政算」という本が書かれた.

1395年には天文図である「天象列次分野之図」が出された.これは,かつて平壌にあった石刻星図が高句麗と唐・新羅との戦いで大同江に沈んで失われたものを,拓本を元に復刻したものであるが,星の位置などが変わっていたので,中星記を編纂してそれに基づき完成したものである.これは,現在韓国の国立博物館に保存されている.また多数の拓本が出ているが,若干の差異があるもようで拓本は17世紀ごろの再刻を元にしているとする説が有力である.

また,この時代に数多くの日時計が作られている.

1725年から1800年にかけては天文学は新しい理論と書籍が数多く出された.

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参考文献

千葉市立郷土博物館「平成7年度特別展・星座の文化史図録」