漏刻,水時計 Water clock

四角い容器に水を張り,その底部に穴をあけ,水がゆっくり落ちるのを利用して,時を測る装置.現在では江戸時代の書物から復元された4段のものが近江神宮他にある.

古代から中世まで,正確に時を測る唯一の装置であった.中国から伝わったもので,日本では660年に天智天皇が最初に造ったと言われている.平安時代の漏刻については唐風の楼閣内に据えられていて,時報用の鐘楼が付属していた.枕草子にもその記述がある.太宰府にもあり,陸奥国鎮守府にも据えられることが774年に許されている.機械時計の伝来と発達により,江戸時代には使われていなかったようである.

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参考文献

斉藤国治,飛鳥時代の天文学,1982,p.36-39,河出書房新社
シーボルト,日本図録第二巻,p.38-46,雄松堂書店