いるか座の神話

いるか座のモデルは,ギリシャ神話で海の神ポセイドンの使いの動物である.また,楽人アリオンを助けたいるかともされている.

ギリシャ神話では,ポセイドンが海の老神ネレウスの娘アンフィトリテを強引に奪い去って妻にしたが,アンフィトリテは逃げ出してやはり海神オケアノスにかくまってもらった.ポセイドンはアンフィトリテを探すがなかなか見つからないで困っていると1匹のいるかが彼女の居場所を教えてくれた.ポセイドンは頼み込んで妻に帰ってきてもらうことができた.この功績をたたえて星座になった.

また,一方では紀元前7世紀ころに実在したと言われるギリシャの音楽家アリオンにまつわる話がある.地中海のレスボス島のアリオンはシチリア島で開かれた音楽コンクールで見事に入賞した.帰国の際コリントスの舟に乗ったがアリオンが賞金を持っていると知った船乗りたちが彼を殺して賞金を奪おうとした.覚悟を決めたアリオンは「最後に自分の琴を弾きたい」と訴え,心を込めた歌を歌い琴を奏でた.演奏後海に身を投げると,彼の美しい調べに集まったいるかが彼を助けてタイナロスの島まで運んでくれた.