■ 薄明（はくめい）

太陽が地平線の下にあっても，すぐには暗くならない．これを薄明という．

これは，上空の大気が太陽の光に照らされているため散乱光で空が明るくなっているからである．薄明は太陽中心の地平線からの伏角で定義され，以下の3種類があり，種々の目安として使われる．薄明は，日暮れ．黄昏（たそがれ），夜明け，黎明（れいめい），払暁（ふつぎょう）といった表現もされる．英語ではトワイライト（twilight）である．

名称英語名称太陽伏角めやす
市民薄明
（常用薄明）		civil twilight50′〜6゜戸外での活動が可能．1等星まで見える．
航海薄明nautical twilight6〜12゜海で水平線が見える．
天文薄明astronomical twilight12〜18゜これが終了すると，天体観測ができる

近年，都市部では人工照明のため空が明るく照らしだされ．深夜まで完全に暗い空にならない地域が多くなっている．
また，高緯度地方では，日が沈まず薄明時間がない場合や，沈んでも天文薄明や航海薄明にならない場合（白夜）もある．

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参考文献

四訂新版現代天文学事典，荒木俊馬，恒星社