天球上で,観測地点の鉛直線と交わる上方の点.高度90度の点のこと.天文天頂ともいう.反対に下方の点を天底(N:nadir)という.
天体を地平線を基準にした座標で表すさい,地平(水平)線は決めにくいので,天頂からの角度(天頂距離)を使用する. なお,天頂には,上記の鉛直線を基準にする天文天頂のほか,観測地点での地球表面の法線を基準にする測地天頂,地球の中心と観測地点を結ぶ線のを基準にする地心天頂がある.
古畑正秋監修「天文観測辞典<第二版>」地人書館,1978年