さくら

日本の宇宙科学事業団の静止通信衛星のシリーズ名.

最初のさくらは1977年12月15日に,アメリカのデルタロケットで東経135度の静止軌道にうちあげられた.衛星は三菱電気の委託でフォード社が作った.1985年に運用終了した.開発名はCS-1.

次のさくら2aは1983年2月4日,国産N2ロケットで静止軌道132Eに打ち上げられた.日本初の商用通信衛星.衛星本体は347kgで,フォード社と三菱電気が半々づつ作った.20/30GHzのKaバンドを使用した世界初の通信衛星.開発コスト約492億円.

その次のさくら2bは同じ1983年の8月に,同じくN2で136Eに打上げられた.2bは離島などへの電話,テレックス用だった.

1988年2月19日H1ロケットで打ち上げられたさくら3aは,三菱電気のプラットフォームを採用,Kaバンドのトランスポンダ(中継器)を10台,Cバンド用を2台(トランスポンダ(中継器)はNEC製)で,電話回線6000本分の容量をもつ.初めてGaAs素子の太陽電池を使用.開発コスト663億円.1988年9月に打ち上げられたさくら3bも3aと同じ仕様である.

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参考文献

Jane's,Spacecraft Directory,Interavia
宇宙開発事業団編,NASDAノート95,宇宙開発事業団