ゆり

日本の宇宙開発事業団の放送衛星のシリーズ名.

最初のゆりは,1978年4月8日にアメリカのデルタロケットで東経110度の静止軌道にうちあげられた.衛星テレビのテスト用であった.開発名はBS-1.

次のゆり2aは,1984年1月23日,宇宙開発事業団のN2ロケットで東経110度の静止軌道にうちあげられた.東芝とGEが共同で製作し,GE3000プラットフォームが採用され,Kuバンドのトランスポンダ(中継器)を2台(予備1台)搭載している.1986年2月12日に打ち上げられたゆり2bは,同様の仕様であるが,トランスポンダ(中継器)2台が故障し1台のみで運用となった.交換のためアリアンロケットで1990年2月23日に打ち上げられたBS-Xは,アリアンの打上げ失敗で爆発した.

1990年8月28日,H1ロケットで打上げられた新型のゆり3aは,製作がNECとGEにかわり,Kuバンドのトランスポンダ(中継器)3台の他にバックアップも3台備えたもの.バスはGE3000のまま.1991年8月21日にはゆり3bも110Eの静止軌道に打ちあがり,衛星TV放送はようやく安定した.

1991年4月19日にはゆり3Hが,ゆり2aとの交換のためにアトラス・セントールロケットで打ちあがった.1994年7月8日には,アリアンロケットでゆり3Nがあがっている.

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参考文献

Jane's,Spacecraft Directory,Interavia
宇宙開発事業団編,NASDAノート95,宇宙開発事業団