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人工衛星の観察法について述べる. 必要な道具 双眼鏡,望遠鏡はあるとかえってじゃまで,肉眼が最もよい.市街地でも肉眼で見える衛星がいくつもある.予報位置をたしかめるため,星座早見盤もあるとなおよいだろう. また,最新の予報が必要である.人工衛星は軌道がどんどん変化していくので惑星や彗星とちがって,予報はだして1週間くらいしか使えないからである.最新予報はインターネットやパソコン通信で入手できる.
例:パソコン通信The SpaceBoard 045-832-1177 guestでログイン.無料. 人工衛星の見え方 人工衛星は主に夕方,明け方にみえることが多い.ふつうの星と同じで,明るさも星のように1等〜10等くらいまで,いろいろである.星と違うところは,ゆっくり動いていくのがわかる点だ.また,どんな巨大衛星でも形は肉眼でぜったいみえない.形がみえていたらそれは飛行機である. 動くはやさは,遅い飛行機くらいだが,ほとんど静止しているようにみえるくらい遅いものもある.飛行機の場合,光点がいくつか集まって見えたり,点滅していたりするが,衛星の場合はひとつの光点が動いていく. 数分かけて夜空を横切るが,数秒しかみえないで,ぱっと消えてしまうこともよくある.(衛星に太陽光があたらなくなると消える)また,回転していたりすると,明るさが大きく変わることもある.瞬間的に異常に明るく見えることもある.明るく反射する部分があるような場合で代表例としてイリジウム衛星があげられる. ほとんどの人工衛星は夕方や明け方にしか見えない 人工衛星は自分から光を出していない.だから,太陽の光に照らされていなければ見ることができない.真夜中には人工衛星は地球の影に隠れてしまうが,夕方や明け方ならば,太陽はまだ地平線の下にちょっと隠れただけで.上空は太陽光がまだとどいており,そこをとぶ衛星には光があたり,しかも,地上は都合よく暗いので,人工衛星がみえるわけだ. 昼間は上空をとぶ衛星にも光があたっている.しかし衛星の光度は,明るくても(スペースシャトル・国際宇宙ステーションなど)−2等級程度で,昼間は見えない(イリジウム衛星が異常に明るく見えることがあり,そのさいは−7等級だがほんの数秒間である).−5等級近い金星でも,昼間ではみえるか,みえないか,といったところだから.なお,通常の人工衛星は明るいものでも2,3等である. ただし,夏至の頃には,夜遅くなっても,上空かなり高いところには太陽光が届いている.このため,夏には高い軌道を回る衛星(高い軌道の衛星ほど,ゆっくり動きます)が見られることがある.(軌道が低い衛星は地球の影に入っていますが,軌道の高い衛星は太陽に照らされている) |