地球の核

グーテンベルク不連続面より深いところ,すなわち地球の一番中心の部分をいう.

組成は高い密度と太陽系の元素存在度からの議論により,鉄とニッケルを主成分とするものであると推定されている.核は2層にわかれており,外側を外核,内側を内核といい,その境界面をレーマン不連続面という.外核は地震波のうち横波であるS波を通さないことから液体でできており,また,内核は固体に近い状態にある.

内核は外核が冷却し固化することで成長する.この際,軽元素と潜熱が放出されるため,内核の外側境界における物質の密度が軽くなり,その浮力によって対流運動が生じる.このような外核の対流運動が地球磁場の成因になっていると考えられている.磁場は生成の機構と減衰の機構が釣り合い,維持されている.このようなメカニズムをダイナモ機構といい,この理論をダイナモ理論とよぶ.

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参考文献

松井孝典,田近英一,高橋栄一,柳川弘志,阿部豊,1996「岩波講座 地球惑星科学1 地球惑星科学入門」p90ー92,岩波書店