プレートテクトニクス plate tectonics

地球表面はプレートと呼ばれる硬い岩石の板で覆われ,各プレートは1〜10cm/年の速さで水平方向に移動している.地震,火山,造山運動などがこのプレート運動の結果起こるとする考え方をプレートテクトニクスという.

大陸を含むプレートを大陸プレート,海洋地域のみから成るプレートを海洋プレートと呼ぶ.大陸プレートは海洋プレートより密度が低い.海洋プレートは中央海嶺で生成され,そこから離れるに従って冷えて徐々に厚みを増していく.この間表面には堆積物が付加される.プレートがぶつかるプレート境界では,密度の高いプレートが低いプレートの下に入る形でマントルにもぐり込む.このもぐり込んだ部分をスラブという.スラブが形成されると,海洋底拡大はスラブの重みによって駆動されることになる.テーブルクロスの端を持って引っ張ると全体が動くのと類似した現象が起こるのである.従来,マントル対流がプレートテクトニクスの駆動力とされてきたが,現在では,主要な役割を果たすものではないと考えられている.プレートテクトニクスの重要性は,地震,火山,造山運動などの地表面の活動の原因であることより,マントルと地表を結ぶ物質循環を駆動している点にある.

なお,プレートテクトニクスは地球以外の惑星では確認されていない.

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