写真

一般には,ハロゲン化銀の微少な結晶をゼラチン中に入れた乳剤をぬったフィルムに,光をあてて光化学反応を起こし,それを現像して銀を生じさせて,光の強弱を記録するものを写真という.カラー写真は赤,緑,青の3色に感度をもつ3種類の乳剤を重ね,合成して作成される.

一般的な写真は,フィルムを露光してから,還元反応である現像を行い,その直後に余ったハロゲン化銀を洗い流す定着・水洗を行い,まずネガフィルムができる.ネガは眼で見ると白い部分ほど黒く写っているので,それを新たに印画紙に焼き付けて白黒反転させると,ようやく普通に見られる写真となる.

しかし近年は写真という概念はそれにとどまらず,CCDカメラを使って電気的に光の強弱を記録した電子データも,CCD写真,またはデジタル写真と呼ばれ,デジタルカメラの普及などで急速に広まってきている.

それに対して,従来の乳剤を使った写真を銀塩写真と呼ぶこともある.天体写真の分野でも,感度のよいCCDカメラを使ったCCD写真は,町中でも星雲がよく写り,データ解析などにも有利なために急増しており,特に新しく設置される研究用の撮影機器はほとんどがCCDを使用している.

参考文献

西村史朗他「宇宙の観測1」恒星社