[掲載:2003.4.1]
ガンマ線バーストGRB030329の観測に成功



(撮影機材と時刻)
美星天文台 101cm望遠鏡
CCDカメラ 武藤CV-16IIE
フィルター R-band
露出 120秒
時刻 2003.3.29 13:30 (UT)
画像の視野 赤経(横)7分角×赤緯(縦)4.7分角

 2003年3月29日20時37分(日本標準時)にHETE2衛星によってガンマ線バーストが検出されました。

 HETE2衛星に搭載されているX線カメラ(SXC)によって位置が4分角の精度で決定され、地上の望遠鏡が即座にその方向を写したところ12等台の明るさで輝く残光が発見されました。

 日本でも各地で観測がおこなわれ、美星天文台でも2002年10月4日に起きたガンマ線バーストよりも克明にその姿を捉えることができました。

 この残光をヨーロッパ南天文台(ESO)の口径8mの望遠鏡(VLT)の分光器(UVES)で詳しく調べたところ、赤方偏移が0.1685で、距離が約18億光年であることが分かりました。このガンマ線バーストは、(GRB 980425/SN1998bwを除くと)確認されている中で最も近いところで起きたガンマ線バーストとなります。

(ハッブル定数を75km/s/Mpcとし宇宙が平坦であると仮定して次の式で求めた(3.26×10^6)(2/3) (c/Ho) (1-(1+z)^(-3/2))[ly])。