1983年に打ち上げられた赤外天文衛星IRASで観測された遠赤外域(12〜100ミクロン)での天体カタログの集合(下表を参照).最も代表的なものはIRAS点源カタログ.全天のマップもある.
赤外天文衛星IRASは1983年1−11月の間に全天の96%を少なくとも2回走査して多数の天体を検出した.IRAS望遠鏡の焦点面には,12,25,60,100ミクロンを中心とする4つの波長域に合わせた計62個の検出器と,低分散分光観測と広がった天体のための測光器が組み込まれていた.
IRAS点源カタログ (IRAS PSC) | 全天のスキャン・データから245,889個の点状赤外線源(IRASの空間分解能 0.5−2' より小さい)が検出された.検出限界は 12−100 ミクロン・バンドに対して 0.4−1.0Jy (ジャンスキー= 10-26 W/Hz/m2 )の程度である. |
IRAS微光源カタログ (IRAS FSC) | 点源カタログよりも低い強度レベル( 12−60 ミクロンで 0.2Jy 程度)まで検出したカタログで,173,044個の点源を含んでいる. |
IRAS掃天アトラス | IRASで観測された全天の画像データをなん回かのスキャンを重ね合わせ,系統的誤差を取り除いたものが,磁気テープや10枚のCD-ROMで配布されている. |
その他,もっと暗いレベルまでの点源データ,銀河の画像データ,低分散スペクトル・アトラスなど10種類以上のカタログ・アトラス・データベースが公開されている.
参考文献
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日本天文学会 編,1989,新版星図星表めぐり,p.126−127.
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