超新星1987A SN1987A

1987年2月23日に大マゼラン雲のタランチュラ(毒ぐも)星雲に出現した超新星.最も明るくなったときには3等級ほどになった.

肉眼で見える超新星としては1604年のケプラーの星以来383年ぶりのものであった.超新星爆発を起こした星の爆発前の明るさは太陽の約10万倍あり,非常に重い星で,太陽の20倍程度の質量があったと考えられている.この星は主系列星から赤色超巨星に進化し,その後,収縮しながら青色超巨星になったところで爆発したと考えられており,赤色超巨星のときに放出されたガスが超新星のまわりにリングを形成している.

また,この超新星1987Aの爆発では,光以外の手段ではじめて観測を行うことに成功した.それがニュートリノであり,岐阜県神岡鉱山にある東京大学のニュートリノ観測装置「カミオカンデ」により行われた.

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参考文献

江里口良治,1994,宇宙の科学,p51,東京大学出版会
第7回「大学と科学」公開シンポジウム組織委員会 編,1993,宇宙誕生・進化の謎を解く鍵 −素粒子−,p148〜151