超新星 supernova

星が大爆発を起こし,明るさが太陽の数億倍から100億倍になるもの.

超新星は,主に遠い銀河に出現するのがとらえられているが,その銀河全体の明るさよりも明るくなることもある.

超新星のうち,スペクトルに水素の線がないものはI型(いちがた),あるものがII型(にがた)と呼ばれ,さらにスペクトルや光度の変化のようすから細分類されている.

水素が存在していないI型の超新星のうち,Ia型(いちえいがた)と呼ばれるものは,連星系にある白色矮星が伴星から物質(質量)を受け取って,密度・温度が上がり,その結果,中心部の炭素の核反応が暴走し爆発したものであると考えられている.

その他の型の超新星は,生まれたときの質量が太陽の8倍以上もある星の最期の姿であり,核融合反応が進んだ星の核(コア)が,重力崩壊を起こして爆発したものである.

主系列時代の星は,その中心で水素をヘリウムに転換するという核融合反応でエネルギーを得ているが,中心部で水素がすべて使い果たされると,中心核が収縮してさらに高温高密度になり,今度はヘリウムが核融合の材料となってさらに重い元素を作り出す.

太陽の8倍以上の質量を持って生まれた星は,こうして次々と核融合反応を起こし,重い元素からなる中心核を持つことになる.特に,太陽の10倍以上の質量の星では,もっとも安定な元素である鉄の中心核ができる.このような中心核がある限界の温度・密度を越えると,自己重力(自分の重みで縮もうとする力)を支えられなくなり,その結果重い星は中心部に向かって急速に縮むことになる.これを重力崩壊と呼ぶ.重力崩壊を起こすと,中心部は強く圧縮されその組成は中性子へと変えられる.このときニュートリノという素粒子が多量に放出される.コアの外側では物質の落下が続いており,猛烈な勢いで中性子のコアに衝突するために衝撃波が発生し,この強い衝撃波によって星は爆発する.このタイプの超新星爆発の後には,星の中心核であった部分が,中性子星もしくはブラックホールとして残される.

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参考文献

河島信樹 1995 「SPACE ATLAS」 PHP研究所