新星 nova

今まで何もなかった空に,急激に増光した星が現れる(1日から数日で15〜20等明るくなる)現象を新星という.新星という名が示すとおり,かつては,星が生まれる現象だと思われていたが,実際には白色矮星と巨星に進化しつつある星とから成る近接連星において起こる現象だと考えられる.現象をもう少し詳しく見ると,まず,白色矮星に巨星に進化しつつある星から物質が流れ込み(降着し),白色矮星の表面にたまる.ある程度たまると,物質は急激に(爆発的に)原子核反応を起こす.このとき,短時間にエネルギーが光として解放されるので急激な増光として観測される.爆発(核反応)が終わった後に,再び物質が流れ込んで白色矮星表面に十分にたまると再び爆発することになる.このような新星は回帰新星と呼ばれる.

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参考文献

小平桂一,日江井栄二郎,堀源一郎 1987 「天文の事典」 平凡社