定常宇宙論

宇宙に始まりがあることに納得がいかない人々が提案した宇宙モデル.宇宙の現在の姿が永遠に続くと考える.その後の観測結果から,このモデルは否定されている.

宇宙が永遠に同じ様子をしているとすると,宇宙空間が膨張しているにもかかわらず,宇宙に存在する物質の密度はいつも同じでなければならない.しかし,遠くの銀河は速く遠ざかっているという観測事実がある.そこで,定常宇宙論を提唱した人々は,物質を生成する源を仮定し,銀河が遠ざかり物質の密度が薄まってしまうと,新たにその場所に物質が生成され,物質の密度は一定に保たれると考えた.このモデルでは,熱い宇宙の始まりの時期があったことを示す宇宙背景放射の観測事実を,自然に説明することができない.

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