宇宙の果てはどうなっているのかを考える時，「果て」という言葉がどういう意味で使われているのかに注意しなければならない．

宇宙の大きさが無限か有限かという意味で，「もし，宇宙の大きさが無限ならば，宇宙の果ては無い」という言い方ができるだろう．（参考：膨張宇宙モデル（宇宙の将来））．一方，世の中で最も速い光が，私たちのところへ届くギリギリの遠い場所は，「地平線」と呼ばれ，私たちがそこまでしか情報交換できないという意味で，「地平線は，因果関係のある宇宙の果て」と言える．また，宇宙が生まれたての熱く小さかった頃には，光と物質が分離されていなかったので，私たちはその頃の光を観測することができない．最初に観測される光が宇宙背景放射であるから，「宇宙背景放射は，現在，光で観測可能な宇宙の果て」と言える．