量子宇宙論〜宇宙の誕生〜

インフレーション膨張が起こる以前,宇宙が量子論的なゆらぎによって生まれたとする考え方.

インフレーション膨張が起こる以前の宇宙はどうなっていたのでしょうか? そもそも宇宙はどのようにして生まれたのでしょうか? ある人々は次のように考えている.あなたはどう考えますか?宇宙が生まれた頃をつきつめて考えていくと,すべての量が無限大になってしまう.そもそも本当に無限大になる前に,我々が描く古典的な宇宙像は,そのままでは宇宙初期に適用できなくなる.つまり,宇宙初期ではハイゼンベルグの不確定性原理が支配する.

量子力学が必要になる.この不確定性原理によると,エネルギーと時間とを共に確定することができない.そのような量子ゆらぎの中で我々の宇宙はもやもやしていたが,これをはっきりと扱うことができるのが量子力学である.量子力学では,宇宙は「宇宙の空間」の中の波として表される.その波の流れが止まっていたか(進行波と逆行波の両方が存在する),または波がさらさらと流れていたか(進行波のみ)によって,それぞれホーキング,ビレンキンが考え出した量子宇宙ができる.これらはその後のインフレーションの仕方などに違いを残すので,これらを実際に研究していけば,我々の宇宙の根元がどうなっていたのかを原理的に知ることができるのである.

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