視差距離

物を見る位置を変えた時の見え方の違い(視差)を利用して,距離を読み取る方法.地球の公転による位置の差が,見る位置を変えた時の差として利用される.

年周視差の値はとても小さいので,肉眼では発見できず,17世紀初めに発明された望遠鏡を使っても,なかなか検出できなかった.初めて視差を使って距離が測られたのは,はくちょう座の61番星で,ベッセルにより,19世紀前半のことだった.

この方法は,地上からの観測では通常300光年までが限界だが,現在では人工衛星によって,約1000光年まで測ることができるようになった.しかしその先は,視差が小さくなりすぎて,測定できなくなる.

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参考文献

吉岡一男, 放送大学教材「天体物理学入門 -- 恒星を主な対象として --」,放送大学教育振興会