WIMP Weakly Interacting Massive Particle

ダークマターの正体となり得る3つの条件を満たす粒子は,Weakly Interacting Massive Particle(相互作用が弱く,質量のある粒子)を略してWIMPと呼ばれる.ダークマターは,少なくとも以下の条件を満たさなければならない.

  1. 観測されないのだから,電磁波をほとんど放出も吸収もしない.
  2. 現在も存在しているのだから,宇宙の年齢に匹敵するくらい長いあいだ安定に存在する.
  3. ダークマターは銀河や銀河団のまわりにだけ存在しているようだが,もし光の速度に近い速度で飛び回っている粒子だとすると,それらの粒子を重力で銀河や銀河団のまわりにだけ引き止めておくことは難しい.よって,速度は光速よりずっと遅い.

以上の3条件を満たす粒子は,Weakly Interacting Massive Particle(相互作用が弱く,質量のある粒子)を略してWIMPと呼ばれる.

現在 実験で存在が確かめられている粒子の中で,WIMPになり得るのは,ニュートリノと呼ばれる素粒子だけだが,他にも仮想的な粒子の候補がいろいろと考え出されている.

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参考文献

小玉英雄,「宇宙のダークマター」, サイエンス社, p57〜