陰陽道

中国伝来の陰陽五行説を基幹とし,在来の呪術や信仰をもあわせ,古代以来一般に普及してきた方術,俗信である.天文,暦数の自然の運行が一人一人の人生を支配するという観念や密教的呪法,固有の禁忌・呪占がある.

大陸より伝わった当初は従来天文に関心の薄かった日本人が星の動きに目を向ける契機となった.日本書紀に天文関係の記事が多くなるのはこのためである.天武天皇は特に関心が深かった.そして,平安時代に盛んに行われた.中世,近世にも強く影響を与え,明治政府になり,禁じられたが,現在でもその名残として家造りに鬼門をさけること,結婚式の日は大安がよいなどの迷信を生んでいる.

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参考文献

大塚民俗学会,1972,日本民俗事典,弘文堂
大森崇,1993,陰陽道の本,学習研究社