グレゴリオ暦の制定 Establishment of Glegorian Calender

ヨーロッパで使用されていた暦は紀元前46年にローマ皇帝シーザーが制定したユリウス暦で,1年を365.25日とし,4年ごとにうるう年を置くものであった.しかし,厳密には1年の長さに11分の差があるため,16世紀には春分の日が3月21日より10日も早く,3月11日となっていた.キリスト教では復活祭は春分またはその直後の満月の後の最初の日曜日となっているので,復活祭の日付けが狂い,大きな問題となった.ローマ法王グレゴリオ13世は春分の日を3月21日にもどすために,1582年の10月4日の次の日を15日とし,さらに今後このようなことが起こらないように,400年に3回,うるう年のない年を置いた.これが現在使用されているグレゴリオ暦である.

しかし,宗教上の理由により,カトリック教国のイタリア,スペイン,ポルトガル,フランス,ポーランド等では直ちに実施されたが,オランダ,デンマークでは1700年に,イギリスでは1752年にようやく採用された.

mw.gif

参考文献

21世紀科学教育懇談会編「科学の歴史,日本」IBM株,1985