黄道12宮の起源 origin of the signs of the zodiac

太陽,月,惑星の通り道である黄道に関する星座(黄道12宮)はカルデア人によって設けられた.

12に分けるのは,太陽がほぼ12ケ月で天空を一周するからである.この日数をいくつかに等分して,代表的と考えた星座を割り当てたのが黄道12宮である.その中で今日の星座と一致するのは天秤,牡羊,牡牛,双子,蠍,射手である.黄道12宮に関する星座は紀元前14世紀の頃から意識されていたが,体系化されたのは,古代バビロニアで紀元前5世紀と言われており,後にエジプト,ギリシャに伝わった.これらは獣帯とも呼ばれる.エジプトのデンデラ神殿の天井にある獣帯の図は現在の獣帯と同じ名称の星座であるが,当初は古いものと考えられていたが,現在は紀元前1世紀の物と言われている.中国においても黄道12宮と同じ役割を果たす12次とよばれるものが使用されていた.

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参考文献

ダンネマン,1977,大自然科学史1,P79-90,三省堂
桜井邦朋,1990,天文学史,P8-96,朝倉書店