やぎ座の神話

半山羊・半魚の姿をした,やぎ座は,ギリシャ神話の牧場の神パーンが変身しそこなった姿がモデルになっている.

アルカディアの牧人と家畜の神パーンは,上半身は毛深い人間で,髭をたくわえ額には山羊の角を備えていて,下半身は山羊で,足には蹄があったと想像され,シューリンクス笛(パン・フルート)の音楽を好んだと言われている.
あるとき,ナイル川の畔に神々が集まって酒盛りを楽しんでいたときのこと,突然,怪物テュフォンが現れた.この怪物は,人と獣との混合体で百の竜の頭を持ち,恐ろしい声で吠え,火を吹くというもので,驚いた神々は動物に姿を変え逃げたが,このとき,パーンは川へ飛び込んだのですが水に浸かったところが魚となり,水面に出たところは山羊の姿になったと言われている.なお,パニック(panic)という言葉は,この時のパーンの様子が語源になっている.