オリオン座の神話

詩人ホメロスによると“背が高くこの上なく美しい”とたとえられるオリオンは,海の神ポセイドンとアマゾーン国の女王エウリュアレーとの間に生まれ,狩りの名手であったと言われている.キオス島のメロペを愛するのだが願いがかなわず,後にクレタ島へ行き月の女神アルテミスの狩人ととして仕えた.しかし,暁の女神オーロラが彼に好意を寄せたため嫉妬したアルテミスはオーリーオーンを殺してしまったのだ.天に上げられたオリオンは星になってもメロペ(プレアデス星団の中の星)を追いつづけている.

この星座には他にも色々な神話が伝えられている.代表的なものを二つあげよう.

一つは,月の女神アルテミスの恋人であることを太陽神アポロンに嫌われ,計略のすえアルテミス自らが殺したという話.後に,月の通り道(白道)近くに月の輝きに負けない星座として設定されたというもの.

もう一つは,神々の計略によって,小さな虫さそりに刺し殺されたというものである.さそりもまた天に昇ったが,オリオンと互いに恐れあい,夏と冬の星座に分かれたというものである.