日食の詳細

太陽−月−地球が合になった時に月の影が地球に投影されて日食が起こる.

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ただし黄道と月の軌道が約5.1°傾いているので,黄道と月の軌道の交点の近くで合になった時だけである.日食の起こる条件は,おおむね地球から見た太陽と月の角距離が,太陽の視半径,月の視半径,月の視差の和以下になる場合である.その平均値は1°30′弱であり,これは交点通過前または後16日以内に朔があれば日食が起こるので,最低でも年に2回は日食が起こる.

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地球も月も楕円軌道なので,太陽−地球,地球−月の距離はその時によって異なり,太陽と月の角距離は平均値に対して±5′くらいの幅がある.そのため,月の視直径が太陽より大きい時には,太陽が全て隠される皆既食となり,太陽の視直径が月より大きい時には太陽光球面の外縁部が残って金環食となる.また,月の影の中心が地球に投影されない場合には太陽の一部が欠けてみえる部分食となる.

日食は太陽と地球と月の運動によって生じる現象のため,19食年,242交点月,223朔望月,239近点月にほぼ等しい18年11日のサロス周期が生ずる.従って18年前の日食とほぼ同じ条件の日食が地球上に現れる.ただし223朔望月から0.321日という端数があるために18年前より経度で約120°西に寄って起こり,また242交点月と223朔望月との差0.036日は1サロスごとに朔が交点から28′西に移動する.

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参考文献

池内了,他編,理科年表副読本『曇った日の天文学』(丸善)