天球上の天体の位置を天の赤道と春分点を基準にとって表す球面座標系．

天球上の天体の位置と天の北極，天の南極を通る大円を考える．この大円と天の赤道との2つの交点のうち，天体位置に近い側の交点をとると，春分点から天の赤道に沿って東回りにこの点まで測った角度を時間の単位で表したものが赤経，さらにこの点から天体位置まで測った角度（北向きを正，南向きを負）が赤緯である．

赤経は天の赤道一周を24時とし，0時〜24時の範囲で表す．赤緯は+90゜〜-90゜の範囲である．通常，赤経をα，赤緯をδと表記する．地球の歳差運動のために，春分点の位置は星座の中を移動する．従って，ある天体の赤道座標を表示する場合は，いつの春分点を基準にするか（分点）を明記しなければならない．