ISO赤外線宇宙天文台

ヨーロッパ宇宙機構(ESA)が開発した赤外線天文衛星.1995年11月にアリアンロケットで打上げられた.

IRASのサーベイ成果に基づき,特定の天体を詳しくしらべようというのがISOミッションのねらいである.観測にかかる波長域を広げ感度を高めるために,光学系や観測装置を極低温に保つための直径2.3m,重量1.5tの低温保持装置が衛星主要部分を包む.ISO全体は高さ5.3m,幅2.3m,重量2.5t.2400リットルもの液体ヘリウムがゆっくりと気化することでマイナス270度Cの極低温が保たれる.この低温保持装置内にある口径60cm望遠鏡には4つの観測機器(カメラ,偏光観測装置,2種類の分光器)がとりつけられている.

ISOは,冷媒の液体ヘリウムを消費しきった1998年4月8日に長波長の観測を終了した.

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参考文献

Jane's「Spacecraft Directory」Interavia,
「月刊天文1994年9月号」地人書館