月までの距離の測定方法

月までの距離を求める最も単純な方法は,地球上でなるべく遠く離れた2つの地点から同時に月の視位置を測定し,三角測量の原理で距離を求めるものである.また,なるべく離れた2地点で同一の星食を観測して,それから距離を出す方法もある.さらに,月の公転運動を精密に観測して,天体力学の理論を用いて距離を求めることもできる.

現在では,より直接的な方法として,月に電波を発射して反射波が戻ってくるまでの時間を測定する方法(レーダー観測)や,月にレーザー光を発射して光が戻ってくるまでの時間を測定すること(月レーザー測距)が行われている.この月レーザー測距のためには,月面に光を反射するものが必要であるが,レーザー逆反射器(通称キャッツアイ)というものがアポロなどの探査機によって月面に設置されている.

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参考文献

小田稔 監訳「宇宙・天文大辞典」,1987年丸善
鈴木敬信「天文学通論」,1983年地人書館