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太陽の光を分光器を使ってスペクトルに分けると,いわゆる虹の7色をした連続スペクトルが見られるが,さらに詳しく見ると多数の暗い線(吸収線)が存在しているのがわかる.これは発見者の名前をとってフラウンホーファー線と呼ばれる. 太陽の連続光は光球から出てくるが,その上空(彩層)に存在する原子が特定の波長の光を吸収して励起し,再び光を放出してもとのエネルギー状態に戻るというプロセスが起こる.吸収される光は下からやってくるが,放出される光はどちら向きかはランダムであるため,結果的にその特定の波長では観測される光が減少し暗く見えることになる. 太陽を分光観測することで,太陽にどのような元素が存在するか・原子がどのような状態にあるか(温度・密度・エネルギー状態など)を明らかにすることができる. 太陽の化学的組成は,分光学的な方法等で調べられているが,その存在(数)比はおよそ水素95.1%・ヘリウム4.8%・残りの元素0.1%となっている. |