IUE

International Ultraviolet Explorer:国際紫外線天文衛星

1978年1月に30250×41315kmの同期軌道に打ち上げられた,口径45cmの紫外線望遠鏡をもつ衛星.NASA・ESA・SERCの共同製作.重さ644kg.

同期軌道なので大西洋上を8の字を描いている.ヨーロッパよりにいったときにESAとSERCが使用し,アメリカよりにいったときにNASAが使用する.3軸制御,ジャイロと反動ホイールを採用し,複数のガイド星を使った天体の位置決定精度は±0.02秒角と,地上の望遠鏡をしのぐ.ハッブル宇宙望遠鏡の駆動方式にも大きな影響を与えた.

1985年にジャイロが故障して2ジャイロになったがソフトウェアを改良して運用続行,1996年には1ジャイロになったが同じく続行,3年の設計寿命を大幅に更新しながら1998年現在も運用中.

新天体の位置決定と紫外線分光観測,銀河の紫外線分光観測等に成果をあげているが,超新星1987Aの爆発前の星がどれかを候補星a,b,cから選択する作業で世界中の天文台が紛糾していた時に,IUEの高精度位置データが出たら鶴の一声で解決してしまった話は有名である.

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