プリズム

ガラス・水晶・岩塩などで作った角柱で光線の方向を変えたり.屈折率(n)の波長(λ)による違いを利用して,光の分散をおこなわせるものである.

光線の屈折を利用して,天頂プリズム太陽用プリズムなどの天体望遠鏡の付属部品に使われる.また,プリズムを2つ組み合わせて,正立プリズム(別称 地上プリズム)とし,双眼鏡や地上用望遠鏡の内部にも使われる.

また,ガラスを通過する光はガラスに入る時と出る時に屈折を起こすが,その曲がる角度が波長により異なる性質を利用した分光器としても使われる.多くのプリズムは三角形の断面をもつガラスでできており,ガラス面に対して,光が斜めに入ってくるように置くと,出て行く光は虹色に分かれて見える.天文学では,望遠鏡の対物レンズの前にとりつけて,恒星のスペクトルを撮影したり,普通のカメラのレンズにとりつけて流星のスペクトルを撮影したりする等に利用されている.

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参考文献

西村史朗他「宇宙の観測1」恒星社
横尾武夫編「宇宙を観る2」恒星社
「天文・宇宙の辞典」P503,恒星社
「理化学辞典」P1125,岩波書店
「知恵蔵1997」朝日新聞社
平林茂人「天体望遠鏡クラブ」誠文堂新光社