経緯儀式架台(経緯台) Alt-Azimuth Mounting

望遠鏡の架台型式の一つ.経緯台は経緯儀式架台の略である.経緯台はカメラ三脚のように上下方向と水平方向に動く.その構造のために操作が簡単である.

経緯台は上下方向に回転する軸(高度軸)と水平方向に回転する軸(方位軸)を持ち,それぞれの軸を動かし,架台の方向を変える.方位軸が水平に回転することと高度軸の軸受けが2カ所同じ加重がかかるように作れることから,赤道儀に比べて架台が機械的に安定している.そのため,最近では大口径望遠鏡の架台(すばる望遠鏡等)として使われることが多い.

経緯台では日周運動を追尾することは難しい.なぜなら,高度軸と方位軸の両方を動かす必要があるからだ.経緯儀を使った大口径望遠鏡では正確に日周運動を追尾するために,高度軸と方位軸の回転速度をコンピュータでリアルタイムに制御している.

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参考文献

前原英夫,1986,フロンティア・サイエンス・シリーズ 星座と望遠鏡,p122-123,丸善
平林茂人,1996,天体望遠鏡クラブ,p34,誠文堂新光社