■ 人名辞典【く】 ページ  -

クリューゲル Klugel, Georg Simon (1739−1812)

ドイツの数学者,物理学者.1760年ゲッティンゲン大学に入学.1763年平行線公理のそれまでの研究の批判的検討を発表.1767年ヘルムシュタットの数学教授,ついでハレ大学の物理,数学教授.「数学辞典」は有名.また三角関数概念を導入,三角法と一致した形で統一.立体投影の形式的代数法則も研究.


グリーン Green, Nathaniel E. (19世紀)

イギリスのアマチュア天文学者.惑星観測家.土星と火星面の模様を詳細に観測.イギリス天文学会の創立時のメンバーの一人で,1896−1898年第4代会長.また同学会の土星部長を二回にわたって務める.


クリンゲンスティルナ Klingenstierna, Samuel (1698−1765)

スウェーデンの物理学者.1731年ウプサラ大学数学教授,ついで1750年物理学教授.1754年から皇太子の教師に任命される.色収差をなくす理論を作り上げる.


グールド Gould, Benjamin Apthorp (1824−1896)

アメリカの天文学者.ハーヴァード大学で古典語を学んだが,数学・物理学に転じる.1852−67年アメリカ沿岸測量局員.1855−59年ダッドレー天文台を指導.1862年基本星表を編集.同年マサチューセッツ州ケンブリッジに私設天文台を建設.1870年頃からアルゼンチンの国立天文台長を務め,南天の肉眼星表をつくる.1879年に太陽近傍の早期型星の集中が天の川とずれていることを発見,これが後のグールド帯である.1846−61,1886−1896年「天文学雑誌」編集長.


グルームブリッジ Groombridge, Stephan (1755−1832)

イギリスの天文学者.ロンドンでリンネル商となり,西インドに渡る.1815年退職し,グードハーストに私設天文台を建てて観測,1806−19年周極星を観測して周極星表Catalogue of Circumpolar Starsを作った.


グレイアム Graham, George (1674−1751)

イギリスの観測・測定器具製造家.1695年時計工場にて社主と協力して太陽系模型を製作.その後時計の改良に尽力.その他,気圧計や太陽系模型の製造を行う.1725年以降天体観測機械の製作に着手.1722年王立学会評議会員.


クレオメデス Cleomedes (1世紀頃?)

ギリシャの天文学者.ストア派の天文学をまとめた普及書を残す.基本的な天文現象の説明はよくできており,地平線付近での大気による屈折についても論じている.


グレゴリー Gregory Gregorie), James (1638−1675)

スコットランド出身のイギリスの数学,天文学者.マーシャル大学卒業後,ロンドン,ヨーロッパに遊学.1668年スコットランドの聖アンドレ大学数学教授となる.それに先だって反射望遠鏡の原理を発表したが,第2鏡の回転楕円凸面鏡の研磨がうまくいかず実用化はできなかった.その他幾何学的な図形の面積を計測する独自の方法を発表.また収束級数の理論的研究も行う.


グレゴリオ13世 Gregorius XIII, Ugo Buoncompagni (1502−1585, 法王在位1572−1585)

16世紀末のローマ教王.ローマ・カトリック教会の聖職となり,ボローニャ大学法律学教授,スペイン駐在法王特使枢機卿に任ぜられ,1572年ローマ教王に選出され,宗教改革に反対する運動を推進した.またグレゴリオ暦の制定者として暦法上にその名を残す.


クレメンス Clemence, Gerald Maurice (1908−1974)

アメリカの天文学者.1930年ブラウン大学卒.1930−63年アメリカ海軍天文台員,1945−58年アメリカ編暦局長,1963−66年エール大学講師,以後教授.力学畑の研究者.惑星の運動を研究し,歴表時の体系を導入,1秒の長さの基準を平均太陽日から1太陽年に変更することを提案し,実施される.


クレロー Clairaut, Alexis-Claude (1713−1765)

フランスの数学者,天体力学者.16歳でアカデミー会員に選ばれる.地球の重力を緯度の関数として表す関数を見いだすとともに,フランスにおけるニュートン重力理論の受容をすすめた.ハレー彗星の軌道を木星,土星の摂動を計算して修正した.光行差についての理論的研究,光の粒子論における屈折の問題に取り組む.数学では,gauche曲線の最初の解析的研究やクレロー微分方程式の研究に貢献.


クロイツ Kreutz, Heinrich (1854−1907)

ドイツの天文学者.1880−81年ボン天文台の助手,1882年ベルリンの天文計算局員,1883年キール天文台員.1896年以降天文学雑誌Astronomischen Nachrichtenの編集長.長周期彗星の公転軌道の研究で有名.近日点距離がほぼ同じである軌道上を動き,太陽面をかすめて通る彗星群(クロイツ群)があることを発見.


クロード Claude, Francois Auguste (1858−1938)

フランス の天文学者.軍隊退役後経度局に入局.1884年に計算助手,1898年主任計算者,1929年天文台長.電信,電話による観測の伝達の他,プリズム・アストロラーベの発明を行う.この方法は測地技術に使用.


クロンメリン Crommelin, Andrew Claude de La Cherois (1865−1939)

 イギリスの天文学者.1886年ケンブリッジ大学を卒業,1891−1927年グリニジ天文台助手.1929−31年王立天文学会会長,1904−1906年イギリス天文協会会長.彗星と小惑星を研究.1907−1908年ハレー彗星の軌道を紀元前にさかのぼって求め,観測記録と対応させる.また1910年のハレー彗星の回帰軌道を正確に求める.その後,木星の第8衛星の軌道の研究を発展させる.「王立天文学会報」に小惑星・彗星について年報を書く.特に周期彗星の予測に努力した.グリニジ天文台引退後,多くの雑誌に彗星,小惑星についての報文を書く.


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