地球が太陽の周りを公転するのに伴い,近くの恒星が遠い背景の恒星と相対的に位置のずれが生じる.これを年周視差と呼ぶ.近くの恒星の位置の軌跡は一般に天球に楕円を描くことになる.公式には,年周視差は,それぞれ地球中心および太陽中心の位置から観測したと仮定した場合の恒星位置の差と定義されている.年周視差により,恒星までの距離が直接測定でき,宇宙の大きさを測る重要なファクターとなっている.
年周視差は1838年,ベッセルによって初めて発見された.
桜井邦朋,天文学史,朝倉書店,1990