1543年,病床の身にあったコペルニクスに1冊の出版
された本が手渡された.それは「天体の回転について」と題する本であり,後にコペルニクス的回転と称された画期的な内容,地球が太陽の回りを回っているという説地動説が書かれていた.主な内容は
- 星々とその軌道にとってはただ一つの中心がある.
- 地球の中心は世界の中心ではなく,月の軌道と重力の中心でしかない.
- すべての惑星は太陽の回りを運動する.したがって太陽に世界の中心がある.
- 地球と太陽の間の距離は,恒星天の直径に比べると,眼にも止まらないほど小さい.
- 天の運動として見えるものは,地球の運動から導かれる.
- 地球はその軌道の上を他の惑星と同じく太陽をめぐって運動する.
- 惑星の前進や残留はそれらに固有の運動ではなく,地球運動の結果にすぎない.
である.コペルニクスはこのように考えるとうまく説明できると考えたが,直接の証拠は見出せなかった.彼は1491年,クラクフ大学に学び,はじめ神学と医学を修めたが,ついで,数学と天文学を学んだ.その後,1495年から1505年までイタリアで天文学を学び,1530年頃にこの考えに達したと言われている.しかし,この説が世界に与える影響を推し量り,出版を躊躇し,証拠を見出そうと努力したと言われている.この説はこれ以降,大きな反響を呼び起こす.
参考文献
 |
 |
ダンネマン,大自然科学史3,1978,三省堂
|
|