へびつかい座
へびつかい座の神話

学名:Ophiuchus ・略符:Oph・概略位置:赤経17時22分・赤緯−8度・20時南中:8月5日・肉眼星数:115・星座面積:948平方度

ヘルクレス座の南に広がる大きな星座.星座絵は2等星以下の星々で構成されているが,空の暗いところだと大きな五角形を中心として蛇(へび座)をつかんだ巨人の姿を描くことができる.日本ではこの付近を帆かけ船の形に見立てることもある.

へびつかい座はすでに古代バビロニアの時代に登場する古い星座の一つだ.星座絵で足の近くを黄道が通っており,毎年3月の下旬頃太陽がここを通過する.アスクレピオスの身体を表すα・β・η・δ・κを結ぶ大きな五角形が晴夜には良く目だつ.α星がこの星座で一番明るく(2.1等),ラス・アルハゲと呼ばれ,アラビア語の「蛇を持つ者の頭」の意味がある.銀河系の中心方向に近いこの星座には球状星団が多くあり,中でもM10,12,62は全光度が7等級と明るく小望遠鏡でも楽しめる.

また,恒星としては速く動く星として有名なバーナード星もこの星座の星で,66番星の近くにある.1916年にE.E.バーナードが発見したもので,固有運動は1年に10″31と他の星に較べてずいぶん大きく,期間をあけて写真撮影をするとはっきりと運動が分かる.光度は9.5等級である.