みなみじゅうじ座

学名:Crux・略符:Cru・概略位置:赤経12時20分・赤緯:−60度・21時南中:5月12日・肉眼星数:38・星座面積:68平方度

俗に南十字星とも呼ばれる,大変有名な星座である.日本では春〜初夏の夕方に沖縄の南部で見られる.全天88星座の中では面積が一番狭いものだが,星そのものは古くから知られていて,プトレマイオスの48星座ではケンタウルス座の星として描かれている.

近世の初頭,ヨーロッパ人たちが新天地を求めて大航海に乗り出してから,天の南極を指し示す星として有名になった.南十字を星座としてケンタウルス座から独立させたのは,フランスの天文学者A.ロワーエといわれ,1679年に発表した「星表つき星図書」の中で紹介している.

みなみじゅうじ座は1等星2個,2等星1個,3等星1個で長軸が約6度,短軸が約4度というかわいい十字架を作るのだが,α星アクルックスという名前は,みなみじゅうじ座の学名Crux(十字架)の前にa(ギリシャ文字ではα)をつけてアクルックスとしたものであり,同様に,β星はベクルックス,γ星はガクルックスとなっている.