大気光 air glow

オーロラのように一時的なものでない高層大気の発光現象で,太陽放射線によって電離・分解した地球大気中の分子・原子が再結合して発光するもの.太陽活動によって変化する.

月のないよく晴れた夜は,人工光がなくとも星灯りによって明るくなるが,実際はそれよりもさらに明るい.これは,太陽放射により電離・分解した地球大気中の分子・原子が再結合するときに発光するもので,可視域でのスペクトルをとると酸素・ナトリウム・水素原子などの輝線や酸素分子・水酸基などのバンド・連続光として表れる.大気光は太陽活動によって大きく変化する.夜の大気光のことを夜天光ということもあるが,夜天光は大気光+黄道光+星灯り(星野光)と定義されることも多い.夜天光の連続光成分を530nmの波長域で測ると以下のようになる.

夜天光成分輝度比
大気光1
黄道光2.4
星野光2.3

参考文献

畑中正秋「天文観測辞典」地人書館
国立天文台「理科年表1998年度版」丸善