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現在の太陽系が誕生する過程で,今から約50億年前に存在していたと考えられている原始太陽の周りを取り巻いていたガスや塵の集まり.これらのガスや塵が材料となって微惑星が誕生し,微惑星の衝突合体によって,現在の太陽系を構成する惑星などの天体が誕生した. 原始太陽系星雲は,太陽系形成論の中で理論的に予測された存在であるが,1983年に打ち上げられたIRASによって強い赤外線が観測されたがか座β星に,その周囲を取り巻く円盤状の物質(原始惑星系円盤)が存在していることが地上の望遠鏡でも確認されて,その実在が確実視されるようになった.最近では,ハッブル宇宙望遠鏡によるオリオン座大星雲内の観測などによって,数多くの原始惑星系円盤が発見されており,原始太陽系星雲の姿を推定することができるようになってきている. |