プレート運動の時間スケールで見て長い間，アイスランドやハワイのようにマグマが上昇する位置が変わらない場所をいう．

地球内部には，マントル深部から湧き上がるホットプリュームと呼ばれる物質の上昇流が2つ，コールドプリュームと呼ばれる下降流が1つある．アイスランドとハワイは2つのホットプリュームが地表に現われたものであると考えられている．したがってそこにはプレートは存在しない．

コールドプリュームは，超大陸直下の巨大スラブが数億年前にマントル内部に落下した部分で，周囲のマントル物質より温度が低い．ホットプリュームは周囲のマントル物質よりも温度が高く，1つはアフリカの大地構帯を押し広げて新しい海洋底を造りつつあり，もう1つはかつて太平洋を造る原動力となってハワイ直下にある．

マントルより上部の地球内部のダイナミクスはこれらプリュームによって決まっているとする考え方をプリュームテクトニクスと呼ぶ．従来重要視されてきたプレートテクトニクスは，最も深くても海溝付近の地下670kmまでの領域で支配的であるにすぎず，平均すると地球半径の1/10にも満たない領域でしか有効でない．

全地球物質の1％にも満たない地殻物質が地球ダイナミクスを決めるという構図は，過去のものとなりつつある．